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河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 井上 多加志; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; 栗山 正明; et al.
Fusion Science and Technology, 44(2), p.508 - 512, 2003/09
被引用回数:5 パーセンタイル:36.77(Nuclear Science & Technology)JT-60U N-NBI用負イオン源は、500keV,22A,10秒間のビーム加速性能を持つ。このような大型負イオン源の運転実績はこれまでになく、1996年より本格的な特性試験を開始したが、この間、多くの改良に努力が費やされた。(1)ソースプラズマの不均一性による加速部電極の熱負荷過大の対策として、上下端部からの発散性ビームをカットするマスク板を設置した。不均一性の改良のために、アーク限流抵抗やグループ毎フィラメントパワーの最適化を行った。(2)その他改良として、ビーム引出し時のフィラメントパワー低減制御の導入やビーム発散抑制のための引出電極形状の最適化を行った。これら改良の積み重ねの結果、現在までに最大入射パワー6.2MW,最長パルス幅10秒を達成することができた。
河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 椛澤 稔; 栗山 正明; 藻垣 和彦; 大賀 徳道; 大原 比呂志; et al.
JAERI-Tech 98-042, 32 Pages, 1998/09
JT-60NBIは、1986年に水素ビームを用いたNBI加熱実験を開始し、定格中性粒子ビームパワー20MWの入射に成功した。その後、1991年に重水素ビーム対応、高エネルギー化の改造を実施し、重水素ビームで40MWの入射パワーを得るために、イオン源での放電破壊対策を講じながら運転の安定化に努めた。イオン源の構造上の問題からこの目標を達成できなかったため、高エネルギー領域から大電流領域での運転へ方針変更し、加速部ギャップ長の短縮化を行った。この結果、1996年7月にビームエネルギー~96keV、40MWの入射を達成した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 小泉 淳一*; et al.
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.405 - 408, 1998/00
JT-60用負イオンNBI装置は、NBI電流駆動による定常化研究及びプラズマの中心加熱での閉じ込め性能向上を目指したもので、500keV,10MW,10秒の性能を目標とする世界初の負イオンNBIである。この負イオンNBIは、1996年初めに完成した後、1996年3月に最初のビーム入射に成功した。以後、イオン源、ビームライン及びイオン源用電源の最適化を行いながらビーム出力の増大を図り、これまでイオン源出力として重水素ビームで400keVで13.5A、水素ビームで350keVで18.4Aの負イオンビーム出力を達成している。またJT-60への入射パワーに関しては、1996年9月には重水素ビームで350keVで2.5MW、1997年2月には水素ビームで3.2MWのビーム入射を果たし、これまでの実験は、プラズマ中での高エネルギー粒子の挙動がほぼ理論的に予測されたとおりになっている。
藤井 常幸
JAERI-M 92-037, 181 Pages, 1992/03
JT-60トカマクにおける高性能化実験I(1989年)までの、イオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)加熱に関する2つの主要テーマについてまとめたものである。第1のテーマは、大電力ICRFアンテナ(120MHz,6MW,10秒)の設計、開発である。第2のテーマは、第2高調波ICRF加熱の加熱特性に関する実験的研究である。JT-60ICRFアンテナとして、単層ファラディシールドを有した、新型のコンパクトな位相制御2行2列ループアンテナ(0.37m0.52m)を開発した。このアンテナは、最大入射パワー3.1MW、世界最高レベルのパワー入射密度16MW/mを達成した。また、広範囲のプラズマパラメータ(n=1.6~6.610m,I=1~2.4MA,q=2.6~6.4)に対して、第2高調波ICRF加熱が高い加熱効率(増加エネルギー閉じ込め時間=60~120ms)であることを実証した。
藤井 常幸; 三枝 幹雄; 木村 晴行; 森山 伸一; 安納 勝人; 河野 康則; 小林 則幸*; 久保 博孝; 西谷 健夫; 小川 芳郎*; et al.
Fusion Engineering and Design, 19, p.213 - 223, 1992/00
被引用回数:6 パーセンタイル:53.1(Nuclear Science & Technology)JT-60での約4年間にわたるイオンサイクロトロン(ICRF)高周波加熱実験におけるアンテナのパワー入射性能についてまとめたものである。この位置制御型アンテナには、高周波損失を低減するために世界で初めてオープン型ファラデーシールドを用いたため、そのパワー入射性能に特に興味が持たれた。実験では、広範囲のプラズマパラメータ(ne=1~710m,I=1~2.8MA,B=2.2~4.8T)に対して、極めて良好な結果が得られた。すなわち、最大入射パワー3.1MW、入射パワー密度16MW/mを達成した。この入射パワー密度は世界最高の値である。一方、極めて稀な実験条件(同相アンテナ電流モードでアンテナ-プラズマ間距離30mm以下)で放射損失が急激に増大した。この現象は、近年提唱されているRFシースに基づくイオンスパッタリングによるものと考えられる。
真木 紘一*; 大和 春海*; 東稔 達三
JAERI-M 6876, 25 Pages, 1977/01
核融合実験炉の起動におけるプラズマ特性を検討した。計算モデルは、時間依存性を入れた空間依存のない拡散モデルであり、エネルギーおよび粒子の閉じ込め時間の比例則は、プラズマ温度が数keV以下では、新古典拡散または擬古典拡散が支配的であるとし、それ以上の温度では、捕獲イオン不安定性による異常拡散が支配的であるとして用いた。10秒間のジュ-ル加熱でプラズマ温度を1keVまで上げ、更に10秒間の中性子粒子入射加熱で、入射パワ-28MW、燃料装荷率310mSとして、プラズマを平衡運転時の状態(プラズマ温度7keV、電子密度1.110m)に起ち上げる事ことができた。
小原 祥裕; 松田 慎三郎; 白形 弘文; 田中 茂
JAERI-M 6438, 20 Pages, 1976/02
本論文は、アンペア級イオン源の多孔型引出し電極構造の改良によるビームの収束に関する計算及び実験結果について書かれている。日本原子力研究所に於いて、昭和51年度にJFT-2トーラスプラズマの中性粒子入射加熱実験が計画されている。限られた入射口に、高いエネルギー密度のビームを入射するためには、発散の小さいビームを引出すことができるイオン源を製作することが必要であるが、本研究に使用されたイオン源の電極は、このような目的をもって製作されたものの一つである。ビーム引出し孔配列に変位をもたせ電極面に曲率をもたせることによってビームを収束させ、直配列孔の平行平面電極に比べてビームの発散を3.3から1.7に減少させうること、また発散は引出し電圧に強く依存することが実験的に示された。この結果、この収束法によりJFT-2への入射パワーは約3倍に増大し、イオン源一基当り、30kEVのビームを約60KW入射しうることが期待できる。